【設立趣旨書】


1 趣 旨


「支援」から、「幸縁」へ。


 私たちはこの度、国境を越えたご縁の中で国内外の人々の人生に幸せを生み出していくための団体、「幸縁(しえん)」を設立したいという考えに至りました。

限られた選択肢しか与えられていないにも関わらず「ぼくには、夢がある」というグアテマラの子どもたち、多くの選択肢を与えられているにも関わらず、「やりたいことが分からない」という日本の子どもたち。両国の子どもたちには、物質的な豊かさの違いだけではなく、精神的にも大きく異なるように思われます。

そこで、両国の子どもたちがつながり合うことで、それぞれに欠けているものを補い合うことができるのではないだろうかと考えました。確かに、国家体制が脆弱なグアテマラは、他国からの支援を必要とする国です。しかし、厳しい環境があるからこそ培われた逞しさや、マヤの伝統文化を大切に守り続ける国民性からは、我々日本人が学ぶべきところが大いにあります。よって、グアテマラの夢ある子どもたちを支援することは、決して一方的に与えるという行為ではなく、双方に受け取る恵みがある活動であると私は強く信じています。

これまでは個人として活動をして参りましたが、以上の経緯から本事業が生み出す可能性の大きさを実感し、社会により広くこの活動を広めていきたいという願いが生まれ、NPO法人化する必要性を感じました。NPO法人化により社会的信用を得ることで、より多くの協力者を得られるだけでなく公教育との連携もしやすくなり、心動く国際交流の機会を1対1の関係から日本の学校教育の場まで幅広く提供できると確信しております。

本団体は、志を持つ者であれば誰でも思いの分だけ努力できる環境をつくることを目指し、グアテマラ共和国において、努力が報われない社会の中での希望のひとつとなるべく、奨学金事業の運営と学習機会の場を提供していくと共に、将来的にはグアテマラの人々が外部からの支援に頼らず自立できるよう生活基盤の向上についても視野に入れて活動していきます。また、顔の見える国際協力を目指して、日本において世界を身近に感じられる国際理解啓発活動を推進していきます。国境を越え、人と人がつながり合う中に生まれる幸せの縁を「幸縁(しえん)」と名付け、私たちは与えるだけの支援を超えて、互いに豊かな人生を歩んでいくためのご縁をつくる活動、幸縁(しえん)活動を行うNPO法人を設立し、広く展開していこうとするものであります。



2 申請に至るまでの経過

2019年9月 申請者が青年海外協力隊として2年間活動したグアテマラ共和国ソロラ県サンティアゴ・アティトラン市(以下、サンティアゴ・アティトラン市)を再訪問し、学業優秀であるが教育を受ける機会がない小学6年生の児童1名の中学進学を応援するために、個人的に学費をサポートし始める。

2021年8月 申請者は三度目となるグアテマラ訪問で、日本とサンティアゴ・アティトラン市の子どもたち(両国計18名)に同時に英語のオンラインレッスンを提供し、1対1で交流できる1か月間のプログラムを実施。

2021年9月 英語奨学プログラムへの参加者を決めるために、サンティアゴ・アティトラン市在住の小学6年生8名を現地協力者と共に選考する。

2021年10月~11月 

貧困家庭の児童を対象とした2か月間のオンライン英語プログラムを実施。日本からネット通信費を支援するサポーター8名、学習指導をするボランティア先生3名の協力を得ながら遂行する。英語プログラム終了後、一部の優秀な児童に対しては中学校の学費支援の対象として引き続きサポートする(奨学金事業)。

2021年12月 刈谷市国際交流協会主催「世界をのぞこう~グアテマラ特別編~」にて、市内の住民(20名)とグアテマラの子どもたちの交流の機会をつくる.

2022年1月  刈谷市、岡崎市の小中学校と総合授業の一環としてオンライン国際交流を行う。

2022年2月  新潟県岡崎市の小学校とのオンライン国際交流を行う(計2回+本活動から発展して作成したホームページを共同運営)。新規英語プログラム参加者の選考をグアテマラにて行う。

2022年4月 NPO法人幸縁(しえん)設立総会を行う。


令和4年  4月  10日

NPO法人幸縁(しえん)  設立代表者      近藤 咲